無料楽譜サイトと有料サイトの違いとは?
楽譜を買えるところは、楽器店や書店、Amazonや楽天といった場所だけではありません。
今は、1曲からダウンロードで購入できるようになっており、流行の曲の楽譜をいち早く入手することも可能になりました。
クラシック曲のなかには著作権がすでに切れているものもあり、無料で閲覧、利用できるものもあります。
しかし、さまざまなサイトがあることから「どのサイトで買えば良いの?」とレッスン中に質問されることも多くなってきました。
そこで、この記事にサイトのリンク集をまとめることにしました。
紹介しているサイトは、
・自分で利用したことがある
・購入したことがある
・運営元をチェック済みである
という条件を、原則として満たしたサイトです。
しかし、予期せぬサイバー攻撃や情報流出などはいつ起こるか分からないというリスクはあるため、利用は自己責任でおこなってくださいね。
といっても紹介しているのは、運用年数の長い安心できるサイトばかりなので、規約を守って利用すれば安全に楽しめると思われます。
では、早速おすすめの楽譜サイトをご紹介します。
掲載されているおすすめ曲も挙げているので、お気に入りの曲を見つける時の参考にしてください。
有料で良質な楽譜をダウンロードできるおすすめサイト
多彩なジャンルの楽譜をプリントアウト「ヤマハぷりんと楽譜」
ぷりんと楽譜は、クラシックからポップスまで幅広い楽譜が揃っています。
レベル判定が若干難しめに設定されている傾向にあります。
中級の方は「初級」か「初〜中級」を選ぶなど、1レベル下の楽譜を探すくらいがちょうど良い場合も。
利用料金
楽譜ごとに個別の価格設定あり。
レベルが上がるにつれ、長く複雑になるので高価格になっていきます。
スマホ、タブレットのみで閲覧する場合は、見放題の定額プランもあります。
ぷりんと楽譜のおすすめ楽譜
ピアノソロだけで、難易度別に40件以上の楽譜があります。
ディズニーの新アトラクションでも人気の「美女と野獣」は、メドレーなども含めるとなんと180件以上。
ディズニーは、《彼こそが海賊 (Hans Zimmer)》なども楽譜が豊富です。
デジタル楽譜で楽器演奏を楽しもう「@エリーゼ」
@エリーゼ(アットエリーゼ)は、文化祭や合唱際特集など、若者にフォーカスしたソング特集が組まれることも多いサイトです。
絶版の楽譜が見つかることも多いので、他でないものはここを探すと良いかもしれません。
利用料金
楽譜ごとに個別の価格設定があります。
最安値は110円でした。
@エリーゼのおすすめ楽譜
「魔女の宅急便」でもおなじみ、ユーミンの楽曲は年齢を超えて愛される一曲。
ピアノソロだけで、さまざまな難易度の楽譜が25件あります。
意外な名曲が見つかるのも、このサイトの特徴です。
ピアノの楽譜が17件あります。
投稿と購入を仲介するプラットフォームMucome
Mucome(ミューカム)は、楽譜の投稿をするユーザーと、楽譜の購入をしたいユーザーを仲介するプラットフォーム型の楽譜サイトです。クリエイターによる個性を感じるアレンジ譜を見つけるのも、楽しみの一つです。
利用料金
各楽譜によって異なります。
クリエイターが個別に価格を設定しているため、同じレベルの同じ曲であっても価格が異なる場合があります。
Mucomeのおすすめ楽譜
もはやクラシックと化している名曲は、PDFテキスト教材、MP3音源、YouTube用カラオケ音源などを合わせると100件も投稿されています。
気軽に楽譜をシェアkokomu(ココミュ)
ココミュ楽譜も、ミューカムと同様にユーザーが作成した楽譜を投稿・共有できるプラットフォームです。
ボカロ曲の耳コピを楽譜にしたものなど、新しい音楽も見つけやすいのが特徴です。
利用料金
一曲ごとに料金設定がされています。
kokomu(ココミュ)のおすすめ楽譜
簡単楽譜や、歌詞とコードつきなど、18件の楽譜が投稿されています。
ストリートピアノでも人気の高いスタンダード曲。
初心者向けやショートバージョン、完コピバージョンなど37件の楽譜が投稿されています。
無料で楽譜をダウンロードできるおすすめサイト
世界の音楽を検索できるMuseScore(有料もあり)
MuseScore(ミューズスコア)は、作成や浄書、作編曲ができるオープンソースの無料ソフトですが、ユーザーが無料・有料の楽譜を投稿しています。
中には、楽譜制作初心者が作ったと思われる楽譜もあるため、中身をしっかり確認する必要があります。
自動演奏機能により、楽譜を音で聴くことができます。
表示はすべて英語ですが、中学生以上であれば調べながら使用できると思われます。
メジャーな曲であれば日本語検索が使えます。
利用料金
曲ごとに異なります。
クラシックは無料楽譜もあります。
閲覧、視聴は無料です。
Musescoreのおすすめ楽譜
ピアノ上級者でもなかなか弾きこなせない難曲も、ここではEasyの楽譜も含めて100件以上あり、いろいろ見られます。もちろん、原典(オリジナル)が弾ければ一番よいですが、とりあえず曲の雰囲気を楽しみたいという方におすすめ。
クラシックの簡単アレンジがたくさん見つかりやすいサイトです。
《We Will Rock You》Queen(ウィ・ウィル・ロック・ユー)クイーン
洋楽の名曲もピアノアレンジが見つかります。
この曲は44件ヒットしましたが、人気バンドのメドレーも人気です。
IMSLP(ペトルッチ楽譜ライブラリー)
IMSLP(ペトルッチ楽譜ライブラリー)は、23万曲以上のクラシック音楽を抱える世界的なサイトです。
著作権が切れてパブリックドメインとなった音源、楽譜を扱っていて、作品を「全世界の共有財産」と見なし、活動をしています。
浄書(手書きの譜面や古い楽譜をきれいに書き直すこと)された楽譜も増えています。
しかし、音符を判別しにくい古い楽譜や作曲家の手稿譜などもあります。
参考程度に使うなら問題ありませんが、見づらいものあるので注意が必要です。
日本語に対応していますが、曲名検索は原語での検索をおすすめします。
利用料金
無料。
著作権は国によって保証期間が異なるため、掲載されていても日本では著作権の保護期間とされている作品もあります。常識の範囲内で利用しましょう。
なお、編曲された作品については著作隣接権が発生します。
演奏における実演家の権利、レコード製作会社の権利などは煩雑なのでここでは割愛します。
IMSLPのおすすめ楽譜
《ピアノソナタ No.11 イ長調(トルコ行進曲つき)》モーツァルト
Piano Sonata K331(300i)は、とても人気のソナタです。
トルコ行進曲のみでもひんぱんに演奏されます。
音源と楽譜の両方をチェックすることができます。
ショパンは、生涯で27曲のワルツを書きました。
どれも美しい曲です。
「どのワルツを弾こうかな」と楽譜を見ながら音源を聴きたい時はこちらのサイトが便利です。
超絶技巧を的確に採譜 かきむきの生活ノート
「かきむきの生活ノート」とは、かきむきさんというサイト主が採譜した楽譜を許諾のもとご厚意で公開しているサイトです。
ピアニストまらしぃさんのバージョンを採譜したものが多く、ストリートピアノなどで弾き映えしそうな華やかな曲が多い印象です。
利用料金
私的利用に限り無料で利用できます。
ダウンロードの前に規約を読み、使用方法を守る必要があります。
かきむきのおすすめ楽譜
《ちょっと強いエリーゼのために》
(StrongElise)
何かの時にちょっと弾けたらかっこいい、ちょっと強いエリーゼのためにです。
「かきむきの生活ノート」のトップから各曲のzipファイルのダウンロードページへ直接飛べるようになっています。
《千本桜》
ボカロのクラシックと呼んでもさしつかえない超有名曲。
このサイトでは、通常版のほか、「高速」や「弾き直し」バージョンも掲載されています。
《72曲アニソンメドレー》part1〜5
YouTubeに動画が上がっている驚異のメドレーですが、こちらも採譜されています。
才能と熱意がすごいです。
アプリと連携も可能なPiascore
Piascore(ピアスコア)は、アプリ開発も行う会社が運営している楽譜ストアです。
アプリ「電子楽譜ビューア Piascore」と連携していて、楽譜はアプリで閲覧したり、印刷したり場所に合わせて使えます。
弾きたい曲が見つからない時は、リクエストを出すこともできます。
利用料金
アプリは無料で利用できます
曲を購入する場合は1曲ごとに料金がかかります。
Piascoreのおすすめ楽譜
本家の情熱的な演奏はもはやレジェンド級です。
プレミアムアレンジを含め、4件の楽譜が掲載されています。
ベートーヴェンの三大ソナタとして有名な《ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2》通称、月光ソナタ。
難易度を変えたアレンジ譜も含め、87件の楽譜が登録されています。
Piascoreは、クラシックから最新のヒット曲、昭和、平成の名曲まで幅広く掲載されているのが特徴です。
番外編:アレンジに使える無地の五線紙配布中
「楽譜のここをちょっと変えたいな」、「書き写してメロディとコードの関係を理解したいな」という時は、当教室の五線紙が便利です。
各サイトの規約を読んで利用しよう
前提として、楽譜は原典(オリジナル)、公式の出版譜を使うのが大原則です。
しかし、音楽の楽しみ方が多様化し、YouTubeやインディーズなどさまざまな方法で音楽を発信するアーティストが増えていく中で、楽譜のあり方もまた変化しています。
各サイトのルールや、アーティストの権利を守りながら、楽しいピアノライフを送りましょう。