2020年から数年間にわたり、コロナ禍で音楽活動が制限されたことがありました。
学生だった方、社会人になったばかりの方、小さいお子さん、大人世代の方がさまざまな辛抱をして過ごした期間だったと思います。
その期間中に「休校期間を楽しく過ごすアイデア」としてステイホーム式の発表会をおすすめする記事を書きました。
ピアノの習熟度を確認するのにも最適!という声をいただいたので、当時の「おうち発表会」のアイデアを改めてまとめました。
・ホールで演奏する発表会との違い
・おうち発表会とホール発表会の活用
についても追記しました。ご参考にしていただければ幸いです。
おうち発表会のメリット
おうち発表会のメリットは、3つあります。
1つめはリラックスした状態で演奏を楽しめること、2つめは費用の負担が少ないこと、3つめは簡単に開催できるので回数を重ねやすいことです。
一方で、これらのメリットは反対側から見ると、日常と地続きであるがゆえに成長を実感しにくいとも言えます。
ホール発表会の魅力
ホールで行う発表会は、ほとんどが会費制か積立制でお金はかかりますが、非日常の舞台で本来のピアノの音を体験することができます。
ピアノの響きは、巨大な空間を伝わってよく響くので、音響学という学問によって計算されたホールの響きは、「ピアノの本質」を聴くために欠かせません。
体全体で自分の演奏する音を受け止めることは、ピアノを習って発表会に参加しなければ得られない、貴重な一瞬になります。
発表会の達成感は特別。おうちでの準備が本番の自信につながる
最も効率的でおすすめなのは、おうち発表会を、ホールでの発表会の準備と位置づけて楽しむスタイルです。
これから紹介するおうち発表会のアイデアは、かんたんに楽しめるものから、少し準備が必要なものまでいろいろあります。
ホールでの演奏体験を最大限に堪能するためには、こうしたおうちのミニ発表会(お披露目会)で準備をしておくのがおすすめです。
おうち発表会のかんたんアイデア
ステイホームでもちょっと特別な気持ちになれるピアノとの向き合い方。
アイデアを挙げてみました。
時間もお金もかけずにできるちょっとしたことから、準備する楽しさを味わえるアイデアまで!
簡単なものから一手間が必要なことの順に書いています。
「★」の数が多いほど、手軽なのに特別感が味わえるアイデアになります。

お辞儀(おじぎ)と拍手のセットをぜひ
・手軽さ ★★★★☆
・特別感 ★★★★★
ピアノ椅子に座る前にお辞儀をして、弾き切ったら立ち上がって同じ場所でお辞儀。
そして、お客さんであるご家族は、お辞儀に合わせて拍手。
お客さん側の家族も恥ずかしがらず思い切ってやるのがオススメです。
私の恩師は、本番が近づいてきたら(特にコンクールや選考などプレッシャーのかかる場では)礼をしてから演奏する練習をしてモチベーションをコントロールするようにと教えてくれました。そのため、私は今でも時々、一礼してから演奏する練習をしたりします。背筋がピッと伸びるような気がします。
暗譜で弾く
・手軽さ ★★☆☆☆
・特別感 ★★★★☆
できれば譜面台もたたむと、さらに雰囲気が出るのでおすすめです。近頃は省スペース設計人気なのか、アップライトピアノや電子ピアノも譜面台が折りたためるタイプが多いような気がします。
楽譜を見て弾くと「普段着」という感じですが、楽譜を見ないで弾けると一気に特別な雰囲気に!
特に、小学校高学年以降は途中で止まるのを恐れて暗譜で弾きたがらない傾向にあるので、それを克服する意味でもよいアイデアといえます。
ドレスアップして演奏する
・手軽さ ★★★☆☆
・特別感 ★★★★★
ドレスといっても、ワンピースやキッズスーツを新調する必要はありません。襟つきのポロシャツや普段着ていない半ズボン、よそいきスカートを身につけたり、髪を軽くセットするだけ(クセやうねりを直す)で気持ちが引き締まります。
自分で洋服を選びたい年頃の子なら、今季一番のお気に入りを着るだけで同じ普段着でも違った気持ちになれるのでは?
ちなみに、発表会前にはペダルの感覚に慣れるため靴をはいて一度弾くとよいとされています。

撮影で成長の一瞬を残す
・手軽さ ★★★☆☆
・特別感 ★★★☆☆
これは、日頃伸び悩んでいる生徒さんに常々アドバイスしていることで、私自身も実践しているのですが、録音・撮影するだけでかなり気持ちに変化があります。ビデオカメラを設置しなくても、スマホやタブレットで充分クリアな映像を撮ることができるでしょう。
100円ショップなどで売っているスマホスタンドをセットすると完璧ですが、演奏が短い時間であれば手持ちでも問題ないと思います。スマホやタブレットの場合は、Instagramや撮影加工アプリを使うことで編集しなくてもキラキラの映像が撮れるので、家族で複数台のスマホがあれば一台は通常の動画、もう一台は加工アプリでの撮影、としても面白いかもしれません。
ビデオ通話でファミリーLIVE
・手軽さ ★★★★☆
・非日常感 ★★☆☆☆
タブレットやスマホでビデオ通話をして、遠方のおじいちゃんやおばあちゃんもオンラインゲストになってもらってはいかがでしょう。
通信環境によっては音が1〜2秒遅れますが、ちょっと音楽鑑賞をする分にはあまりストレスを感じずに済むと思います。タブレットでオンライン通話をしたまま、スマホをもう一台使ってビデオ通話に映っている皆さん丸ごと記念撮影、なんていうのもいいかもしれませんね。

工作気分でプログラムを作成
・手軽さ ★☆☆☆☆
・特別感 ★★★★★
曲のタイトル、作曲者、演奏者を書けば、それだけでプログラムの出来上がり。ハガキサイズの色紙やレターセットに書くのも素敵です。
それだけでは物足りないという場合は、ぜひ演奏する曲のプログラムノートを書いてみてください。小さなお子さんなら、曲の好きなところや難しかったところ、レッスンしていた時の思い出を、小中学生は作曲家の簡単なプロフィールを調べたり、楽曲解説を読んで自分なりに感じたことをつけくわえまとめれば、立派なプログラムノートになります。
タブレットやパソコンを使って製作するのもよいでしょう。
簡単ですが、色々な年齢層を想定して例を3つ作ってみました。
プログラムノート例(幼児〜小学校低学年)

プログラムノート例(小学生〜中学生)

プログラムノート例(高校生以上〜)

終演後はゆったりティータイム
・手軽さ ★★★☆☆
・特別感 ★★★★☆
気分は優雅なサロンコンサート?小さなご褒美にケーキや和菓子を用意しておくのも特別感があっていいと思いますし、遠足のように〇〇円まで!と予算を決めてスーパーやコンビニでお菓子を調達するのも意外に楽しいのでは?
同じ音楽を共有してゆっくりお茶を飲む時間は、「単に空間を共にしている」という以上の思い出になるのではないかと思います。
まとめ:おうち発表会に慣れたらホールで新たな体験を
おうち発表会は、
- リラックスした環境で楽しめる
- 手軽に開催(演奏)できる
というメリットがあります。
一方で、ホールで演奏する発表会は、
- 響きの違いを体験できる
(コンサートホールでは、ピアノの音が良い状態で響き、普段の練習では味わえない特別な音響体験ができる)
- ステージでの達成感が得られる
(スポットライトを浴びながら演奏して拍手を受ける経験は、自信とモチベーションにつながる)
- 本番の緊張感を経験できる
(舞台に立つことで適度な緊張感が生まれ、それを乗り越えることが精神的な成長に)
(他の演奏者が緊張しながらも頑張っている姿をみて新たな目標ができる)
といったメリットがあります。
ホールでの発表会には、おうちでの演奏体験以上の魅力が詰まっています。
「まだ早いかな?」「うちの子には難しそう」と感じるかもしれませんが、小さな成功体験を積み重ねることが成長につながることでしょう。音楽の楽しさをさらに広げてみてください。