【書籍発売中】ピアノを習えば5つのスキルが身につく

レッスン
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小さな頃からピアノに親しみ、大学と大学院で音楽について学び、10年以上にわたってさまざまな生徒さんと向き合い‥‥その経験を通して、いまいちどピアノを習うことの意味、音楽の可能性と力について考えてみました。

ピアノを子どものうちから習う。それは、次の5つのスキルを獲得する可能性をつかむことでもあります。

スキル1. 読譜力

音符を読み、表現を伴ったかたちで弾けるということ

補足説明は不要でしょう。

小学校、中学校までは音楽の授業がありますが、勉強ができるのに芸術科目で成績が下がってしまうのはもったいない!
小さなうちから少しつづ音符を読み、フォルテやピアニッシモといった記号の意味を覚えることで、苦手意識をもつことなく音楽に取り組めます。

年齢が上がるにつれ、音楽記号を正しく理解し表現をともなった演奏も可能に。情操教育にも効果が期待できます。


スキル2. 読解力

指示を理解して演奏に反映させる。それは「話を聞いていなければ」できない

「読解力」は、現在の教育界において能力強化が非常に重要視されているスキルです。教育の最大大手といえるベネッセ(講師は学生時代はベネッセでアルバイトをしていました)でも読解力を総合的に身につけさせる「グリムスクール」というコースを用意しています。

将来、AIにとって代わらない仕事に就くためには、読解力の育成が要だという説をとなえる専門家もいるそうです。

音楽仲間の間でも時折話題にのぼりますが、ピアノやスポーツは、真剣に取り組めば読解力を養える習い事であると思います。個別指導の明光義塾では、体操の内村航平選手をCMに起用し「習ったことを説明する」アプローチを塾のアピールポイントとして紹介しています。

これは、従来までの塾の指導方法が「教える」ことに特化しており、「生徒の理解度をその都度チェックする」という取り組みが薄かったことを示しています。

その点、ピアノやスポーツは、課題をクリアするのに「練習する」必要があります。
レッスンで、生徒さんが「この曲むずかしい!できない!」と言う時がありますが、

・(できるできないに関わらず)教えたことを理解した上で練習した形跡がある

・指導内容を理解せず体を動かしているだけで、「やってもできない」と言っている


このどちらであるかは、生徒さんの態度や音色を聴けば一目瞭然であることがほとんどです。つまり、トライしたように見せかけるその場しのぎの姿勢は、多くの場合、すぐに見破られてしまいます。

特に、私のレッスンは「シャープがつくと音はどう変わるんだっけ?」、「この曲は何拍子?」といった質問をすることが多く、ただ教えられたことを鵜呑みにするだけでは許されません(笑)。

たとえレッスンまでに完成していなくても、教えられたことを理解して取り組んでいれば、必ずそれは演奏にあらわれます。むしろ、ささっと楽にこなしてしまう生徒さんよりも、一つ一つ納得するまで取り組んだ生徒さんの方が結果的に多くの曲を弾きこなせるようになり、ピアノを楽しみつつさまざまなことを両立させ、色々なアクティビティにおいてよい結果を勝ち取ることが圧倒的に多いのです。

スキル3. 自己肯定力

応用力を養い、その力を自信とチャレンジ精神へ昇華させる

音楽は「応用力」のつく芸事です。
上達するためには、曲を丸暗記するのではなく、音階のドレミや記号といったある種の法則性を正しく理解しなければなりません。

好きな曲ができたら自分の力で譜読みできるように、レッスンでは譜読みを身につけるための初見トレーニングやリズム練習、ソルフェージュといった指導を体系的かつオーダーメードにおこなっています。

ですが、レッスンでほめられたり、発表会で成功体験を積み上げるといった「自己肯定感」の獲得を、私はあえてピアノを習って得られるスキルとして挙げたいと思っています。
これは応用力を駆使して楽譜を読み解き、スキルアップが認められることで培われます。


「自己肯定感」は、自尊感情、自己存在感ともいわれます。自分の存在を積極的に評価できる感覚や感情のことで、前向きな姿勢や努力するためのモチベーションを支えてくれる要素。日本人は諸外国に比べて自己肯定感が低い傾向にあるとされており、これが幸福度の低さにつながっているという見方もあります。

自己肯定感が低いお子さんは、

・物事に対して無関心を装いがち。失敗をおそれるため、本気の努力をしない。

・達成感を得にくく、ほめられることに苦痛を感じる。

・自分に自信がない反動から、他人の欠点やできないことを過剰に責めるようになる。

といった様子を見せることがあります。

具体的にレッスンで見受けられるのは、新しい曲に対して楽譜を眺めただけで練習もせず「難しくて弾けない」と言ったり、発表会にやりたい曲があるのに「自分には無理」、「大変そうだからやらない」と諦めるケースです。

ですが、レッスンを続けるうちに「難しそうだけどチャレンジしたい」、「好きなアーティストの曲を弾いてみたい(楽譜がないものは講師が耳コピして楽譜を起こすことも!ご本人の熱意次第ですが)」、「クラスに上手な子がいるけど自分も伴奏オーディションに立候補した」、といったお話をきくことも。

ピアノ以外でも「今は得意なピアノだって最初は弾けなかったから」と苦手なことにチャレンジするようになったといったお話や、「ピアノの先生に『やらなきゃできるようにならない』と言われたけど本当にその通りだった」お声をよく伺います。これは、習い事をきっかけに自己肯定感が高くなったことを意味しています。

・失敗を恐れずにさまざまな新しいことにチャレンジする。

・できたこととこれから努力することを正しく理解し、自分の強みを知る。

・人と比べての評価ではなく、自分自身を基準にして自他共に正当な評価ができる。

大人にはとても難しいことですが、子どものうちから育めばあらゆる意味で「強くしっかりした人」に成長できると私は考えています。

ピアノを通してその育成の一助となれれば、これほど嬉しいことはありません。


スキル4. コミュニケーション能力

成長期からコツコツとヒューマンスキルを身につける

企業では「対人関係能力」、「ヒューマンスキル」などと呼ばれていることもあるようです。玄関口(当方はオートロックですが)で「こんにちは」、レッスン室で「よろしくお願いします」、帰るときに「さようなら」‥‥基本的な挨拶は、親御さんが身につけさせようとしても恥ずかしがったり、照れてしまったり、思うように伝えられないケースもあります。マンツーマンの習い事なら、こうしたマナーもレッスンの一環として身につけやすく、低学年のお子さんには特に役立つのではないかと思います。

マナーやコミュニケーション・スキルに関して具体例を挙げると、一人で通える年齢の生徒さんに対して、「楽譜やお月謝袋を人に渡すときは片手ではなく両手で」と伝えることもあります。また、発表会では「ここに来ている人はみんな生徒さんや親御さんだから、楽屋に出入りするときやホールですれ違うときは挨拶をしよう」と伝えることも。

低学年の頃は友達口調だった生徒さんが、大きくなって敬語になってしまうのは一抹の寂しさがありますが、敬語と友達口調が半々の様子は微笑ましく、頼もしくも感じます。講師の私でさえそうなのですから、親御さんからみる変化や成長はもっと大きなものでしょう。


スキル5. 管理能力

レッスンと発表会で短期/長期スケジュールのタイムマネジメントを

当教室では、中学生以上の生徒さんに対しては「自分でスケジュール管理ができるようになろう」と少しずつお話しています。中学生になると、行事に向けた居残り準備など親御さんが把握しきれない予定が増えるからです。

さらに定期試験の期間中はピアノを休みたい(別日に振替)というタイプの生徒さんもいれば、レッスンに来て気持ちを切り替えつつ勉強したいというタイプの生徒さんもいらっしゃり、時間管理に個人差が大きく出てくる時期だという理由もあります。

私立だけでなく、市川市立も二期制と三学期制が混在しているため試験期間はバラバラなので、たまに失敗(直前に振替や遅刻の連絡が来たり、休みのはずがレッスンにいらしたり‥‥そのへんは「教育」の精神である程度想定内ですが笑)もありつつ、ピアノを続けたい気持ちのある生徒さんはだんだんと自分でスケジュールを管理できるようになります。この管理能力、実は、小学生の頃に培ったものでもあるのです。

幼児の生徒さんも小学生の生徒さんも、一週間ないし二週間の間にこれをやらなければならない、ここまでできるようにしなければならない、というピアノの宿題をコツコツ積み上げることによって、少しずつ短期的なスケジュール管理ができるようになっていきます。

つまり、

・時間と成果のバランス(どれくらいの練習をすればどのくらいの量をこなせるか)

・達成と時間のバランス(目標達成までにどれくらい時間がかかるか)

というタイムマネジメントの感覚が、普段の練習で無理なく身についていきます。この2つのバランスは同じようでいて、性質は大きく違います。

時間と成果のバランスは、練習時間と練習量(宿題の量)が決められているなかで取り組むのに対して、達成と時間のバランスは、達成地点と〆切(発表会/伴奏のオーディション)があらかじめ定められているなかで、逆算的に時間を考えるべきものだからです。

こうしたスケジュール管理の能力は、発表会の参加でもっとも顕著にあらわれます。

当教室では独奏と連弾の2曲を半年弱で仕上げますが、最初のうちは、講師や親御さんに「今週はここまで譜読み、次の週はここまで」と指示されていたのが、自発的に「ゴールデンウィークは旅行に行くからそれまでにここまでやらないと」、「去年は暗譜で焦ったからもっと前からやらないと」と計画を立ててくれるようになります。

この習慣が身についた生徒さんは、学年が上がっても進学しても、自分で勉強のスケジュールを立て、予定に追われることなく集中して物事に取り組めているように思います。


まとめ:ピアノの上達だけをゴールにしないレッスンを

当教室では、音楽的な向上のみを目指すのではなく、多方面に応用可能な5つのスキルを養えるレッスンを目指しています。

こうした能力を身につけ、さまざまなことに好奇心や興味関心をもち、その上で末長くピアノをはじめとした音楽に親しめる大人になってくれたら嬉しいと思いながら、日々指導に‥‥といってもいつもこんな、真面目なことばかり考えているわけではありませんが!

生徒さんや親御さんから教えていただくことも多く、講師も成長できる環境にいることが唯一の自信、でしょうか。

このような内容を一冊の電子書籍にまとめました。
子どもの成長に合わせて、ピアノレッスンとどのようにご家庭で向き合うとよいかを段階的に書いてみたので、気になる方はぜひご覧いただければ幸いです。



楽天Kobo版もあります。




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