ステイホーム式おうち発表会のすすめ

レッスンコラム
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Twitterで書いていた自宅の小さな発表会アイデアをまとめました!

夏休みは短縮や感染予防で例年よりもいろいろなことが制限されそうですが、この記事がイベントの少ない2020年に楽しい思い出を作る一助になれば嬉しいです。

ステイホームの発表会アイデア

ステイホームでもちょっと特別な気持ちになれるピアノとの向き合い方。
アイデアを挙げてみました。

時間もお金もかけずにできるちょっとしたことから、準備する楽しさを味わえるアイデアまで!
簡単なものから一手間が必要なことの順に書いています。

ちなみに、取り組むハードルや非日常感などのポイントは「★」の数であらわしてみました。

手間いらずのコスト0!非日常を演出する”所作”

帰る時に「バイバーイ」だった幼いお子さんが「さようなら」を覚えたら急に大人びて見えることがあります。
親御さんが管理していたレッスンスケジュールも、中高生になればだんだんと(時折失敗を繰り返しながら)自分で把握できるようになったり。振替の調整が生徒本人からメールやLINEでくるようになると、成長したな〜とついつい思ってしまいます。
こんな風に、”所作”はそれだけでその人となりや雰囲気を変えてしまう力をもっていますよね。
ステイホームのおうちで発表会も、まずは、準備不要、コストをかけずにできる仕草から。

お辞儀(おじぎ)と拍手


・手軽さ  ★★★★☆
・非日常感 ★★★★★

ピアノ椅子に座る前にお辞儀をして、弾き切ったら立ち上がって同じ場所でお辞儀。そして、お客さんである家族はお辞儀に合わせて拍手。お客さん側の家族も恥ずかしがらず思い切ってやるのがオススメです。

私の恩師は、本番が近づいてきたら(特にコンクールや選考などプレッシャーのかかる場では)礼をしてから演奏する練習をしてモチベーションをコントロールするようにと教えてくれました。そのため、私も大学生から今でも時々、一礼してから演奏する練習をしたりします。背筋がピッと伸びるような‥‥。

暗譜で弾く


・手軽さ  ★★☆☆☆
・非日常感 ★★★★☆

できれば譜面台もたたむと、さらに雰囲気が出るのでおすすめです。近頃は省スペース設計人気なのか、アップライトピアノや電子ピアノも譜面台が折りたためるタイプが多いような気がします。

楽譜を見て弾くと「普段着」という感じですが、楽譜を見ないで弾けると一気に特別な雰囲気に!
特に、小学校高学年以降は途中で止まるのを恐れて暗譜で弾きたがらない傾向にあるので、それを克服する意味でもよいアイデアといえます。

ドレスアップして演奏する


・手軽さ  ★★★☆☆
・非日常感 ★★★★★

ドレスといっても、ワンピースやキッズスーツを新調する必要はありません。襟つきのポロシャツや普段着ていない半ズボン、よそいきスカートを身につけたり、髪を軽くセットするだけ(クセやうねりを直す)で気持ちが引き締まります。
自分で洋服を選びたい年頃の子なら、今季一番のお気に入りを着るだけで同じ普段着でも違った気持ちになれるのでは?

ちなみに、発表会前にはペダルの感覚に慣れるため靴をはいて一度弾くとよいのですが、今のご時世は避けた方が安全ですね!地面にウイルスが付着していた場合、靴底にもついてしまうと思うので‥‥足元は靴下かスリッパで我慢です。

文明の利器を活用!デジタルツールを使って作り出す”特別”

スマホが一人一台、という時代はとうに過ぎてしまい、プライベートと会社用、2台持ちがデフォになった感のあるデジタルツール。かくいう私も、スマホ、タブレット、PCを使っています。そのデバイスすべてに感度良好なカメラ機能がついているなんて、本当に「未来」ですよね。

カメラ機能や通話機能、アプリを使えば「おうち発表会」もますます楽しくなります。

撮影してみる


・手軽さ  ★★★☆☆
・非日常感 ★★★
☆☆

これは、日頃伸び悩んでいる生徒さんに常々アドバイスしていることで、私自身も実践しているのですが、録音・撮影するだけでかなり気持ちに変化があります。ビデオカメラを設置しなくても、スマホやタブレットで充分クリアな映像を撮ることができるでしょう。

100円ショップなどで売っているスマホスタンドをセットすると完璧ですが、演奏が短い時間であれば手持ちでも問題ないと思います。スマホやタブレットの場合は、Instagramや撮影加工アプリを使うことで編集しなくてもキラキラの映像が撮れるので、家族で複数台のスマホがあれば一台は通常の動画、もう一台は加工アプリでの撮影、としても面白いかもしれません。

私がインストールしている「24FPS」というアプリは、おしゃれなフィルターで誰でも映画のような映像が撮影できる(?)という優れもの。無料で使えます。


・24FPS(iOS向け)

ビデオ通話で即席オンラインライブ


・手軽さ  ★★★★☆
・非日常感 ★★☆☆☆

Skype、LINEなど、遠方であっても顔を見て気軽に話せる時代になりました。タブレットやスマホでビデオ通話をして、遠方のおじいちゃんやおばあちゃんもオンラインゲストになってもらってはいかがでしょう。
通信環境によっては音が1〜2秒遅れますが、ちょっと音楽鑑賞をする分にはあまりストレスを感じずに済むと思います。タブレットでオンライン通話をしたまま、スマホをもう一台使ってビデオ通話に映っている皆さん丸ごと記念撮影、なんていうのもいいかもしれませんね。今は、スマホで編集して遠方の家族にも直接注文したミニ写真集を送れる「Sarah」のようなサービスも充実しています。LINEやメールを使えば簡単に写真データをやりとりできますが、プリントして紙で見るのもたまにはオススメです。

間接照明でステージ気分を:キャンドルアプリやペットボトルも使えます


・手軽さ  ★★★☆☆
・非日常感 ★★★★☆

勉強机のスタンドライトやちょっとした間接照明をピアノの側に置いてステージ風に。いくつか明るめのライトがある場合(そして暗譜できている場合)は、思い切って部屋の照明をオフにして、ジャズライブのようなおしゃれで緊張感漂う空間に変身させることもできます。

とはいってもコンセントの都合でライトをもってくるなんて無理!という時は、ここもスマホアプリを活用してください。ゆらめく炎がリアルなキャンドルアプリは一台だけだけ暗いですが、家族分のスマホやタブレットを使えば明るさを確保できます。

懐中電灯機能をオンにして、スマホの上に水の入ったペットボトルを入れ即席ライトを作っても◎
このアイデアはもともと、ブラジル人整備士が発明したものです。隙間から差し込む細い日光をペットボトルで屈折させ、部屋中を照らすアイデアで、電気の通っていない途上国の貧困層も安心して使える環境にやさしい灯りとして世界中で用いられるようになりました。


・世界の自然光


懐中電灯の光を拡散させるのはこの応用で、日本の警視庁もすすめている非常時の光源確保の手法です。カラーバリエーションの豊富な懐中電灯アプリと組み合わせ使えば、テーマ性のある空間を作れます。

・警視庁「ペットボトルで簡単ランタン」



ちょっと一手間、ワンコイン、”準備”も本番も楽しく

所作やツール頼りではなく、時間と手間(と少々のお金)をかけて準備するアイデア2つ。
時間と心にちょっと余裕のある方はぜひ試してみてください。

プログラムを作る


・手軽さ  ★☆☆☆☆
・非日常感 ★★★★★

曲のタイトル、作曲者、演奏者を書けば、それだけでプログラムの出来上がり。ハガキサイズの色紙やレターセットに書くのも素敵です。

それだけでは物足りないという場合は、ぜひ演奏する曲のプログラムノートを書いてみてください。小さなお子さんなら、曲の好きなところや難しかったところ、レッスンしていた時の思い出を、小中学生は作曲家の簡単なプロフィールを調べたり、楽曲解説を読んで自分なりに感じたことをつけくわえまとめれば、立派なプログラムノートになります。

ICT教育(情報教育)の一貫として、パソコンを使って製作するのもよいでしょう。
簡単ですが、色々な年齢層を想定してテンプレートを3つ作ってみました。

プログラムノート例(幼児〜小学校低学年)

絵を描いたり、シールを貼っても◎ 余白を作っておけば、保護者の方のコメントも書き込めます


プログラムノート例(小学生〜中学生)

パソコンが得意なら、フリーで使える画像を使ってこんなコラージュをしても素敵!


プログラムノート例(高校生以上〜)

高校生なら、作曲家の生い立ちや曲のなりたちを調べて、本格的な解説づくりにチャレンジしてみて


終演後はティータイム


・手軽さ  ★★★☆☆
・非日常感 ★★★★☆

気分は優雅なサロンコンサート?小さなご褒美にケーキや和菓子を用意しておくのも特別感があっていいと思いますし、遠足のように〇〇円まで!と予算を決めてスーパーやコンビニでお菓子を調達するのも意外に楽しいのでは?(特に今年は遠足、校外学習、修学旅行‥‥色々な行事が中止になっているので)リモートワークやオンライン授業で家族が自宅に集まる時間は増えたかもしれませんが、同じ音楽を共有してゆっくりお茶を飲む時間は、「単に空間を共にしている」という以上の思い出になるのではないかと思います。

もちろん、おやつタイムの前には家の中でも入念な手洗いをお忘れなく!


まとめ

夏は発表会を開催される先生方や教室が多く、どの催しも主催者がたいへん難しい判断を迫られています。
感染状況に応じて、さまざまな決断をフレキシブルに下していく必要がありますが、おうちで楽しめることも同時並行的に模索していければいいなと思っています。

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