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ピアノ教室の月謝は現金払い。個人教室って確定申告しているの?

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個人教室や小規模な習い事では、レッスン料を現金払い(手渡し)しているところが多いかと思います。

キャッシュレス決済が浸透したせいか、「現金払いってちゃんと収支をつけているの?」と疑う声がSNSに上がってくることもあります。

本記事では、

・個人教室はなぜ現金払いが多いのか

・個人教室は確定申告をしているのか

という、面と向かって聞きにくい質問に、現役教室として回答します。

現金払いに対する世間の(否定的な)声

まず、具体的にどのような声があるのかを見てみました。

「現金払いだと、確定申告しないのでは?と疑っている」

「ちゃんと入金を記録しているのか心配」

「子どもに現金の入った袋を預けると、トラブルにならないか不安ではある」

「今時、現金払いは時代遅れだと思う」

他に、教材費などで1円単位や10円単位の徴収があると、小銭を用意するのが大変というコメントもありました。

小銭の問題はイレギュラーな対応かと思いますので、今回はSNSで見かける「現金払い」と「申告逃れの可能性」についてお答えします。

現金払いの教室運営者の実態

まず「個人教室が現金で月謝を受け取っている」ことと、「現金収入を申告していない」ことは別の話です。

なぜなら、現金収入も所得税や住民税の申告対象であり、課税対象であるからです。

これは国税庁のサイトで確認できます。

なお、会社員などの給与所得がある場合の副業で得た所得については、一定の条件のもと、年間20万円以下は所得税の確定申告が不要になるケースもあります。

ですが、これは「月謝収入が20万円以下なら申告不要」という意味ではありません。

教室の規模や、別の仕事の有無など、条件に応じて必要な手続きは変わります。

個人教室をやっている友人も確定申告をしている人がほとんどで、その多くが教室以外の仕事を掛け持ちしています。私自身も教室以外の仕事をしています。

月謝の受け取り確認は教室によって異なりますが、当教室は月謝袋へ領収印を押すのとは別に、帳簿をつけています。

帳簿は月ごとに分かれていて、経費なども記載しています。確定申告の際は、帳簿をもとに申告書を作成します。

なので、「受け取ったかどうか分からなくなってしまう」リスクは、少なくとも当教室ではかなり低いといえると思います。

なぜキャッシュレス決済を導入しないのか

「脱税していないなら、どうしてキャッシュレス決済を取り入れないの?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。

ですが、以下3つの理由を見ると「現金払いでも仕方ないか」と納得していただけるのではないでしょうか。

PayPay:個人間送金は規約違反になる

時折見られるのが、「PayPayのアカウントに送金すればお互い楽じゃないですか?」という意見です。

しかし、PayPayは営利目的の個人間送金を禁じています。

参照:「個人のPayPayアカウントで商品代金を受け取っても良いか」

規約には「個人向けのPayPayアプリにある「送金」機能を用いて商品代金の支払いを受ける行為は、PayPay加盟店規約で禁止しています。」とあります。

レッスン料を受け取るには、個人間送金でなく、加盟店向けの決済サービスを利用する必要があります。

では、この決済サービスを導入すればよいのかというと、今度は導入費用や決済手数料、入金確認などの管理コストが発生します。

事業者端末:複数用意するには管理・導入コストが必要

「個人間送金がNGなら事業者端末を導入しては?」という意見もあります。

確かに、端末だけなら安価なサービスが多いので、導入のハードルは高くありません。

ですが、問題はランニングコストにあります。

ランニングコストは、月々の決済手数料や利用料だけでなく、入金確認や返金対応の確認など事務的なコストも含みます。

また、バーコード決済とクレジットカード決済の両方に対応しようとすると、複数の端末と契約し、それらを管理する必要も生じます。

子どもだけで通う場合、月謝袋を持たせるよりも、決済機能のついたスマホやクレジットカードを持たせることに不安を覚える保護者も多いでしょう。

これらの理由から、端末導入は「諸々の手間とコストが利便性と見合わない」と結論づけて見送っている教室が多いと思われます。

口座振替は代行手数料などの課題も

銀行の口座振替は、大手の塾や教室で導入されている方法です。

しかし、個人教室が行う場合は、銀行と直接やり取りするのではなく、収納代行会社などのサービスを利用するのが一般的です。

サービス利用には、導入費用や月額費用、振替手数料などが発生します。

振込結果や未納時の対応など、現金払いとは異なる管理業務も、新たに必要となります。

もちろん、退会時の精算など、一時的に銀行振込をお願いすることはあります。ただ、全員の月謝を振込にすると、毎月の入金確認という新しい業務が発生します。

全員が振り込むまでに何度もアプリを確認するなどの手間も増えるため、少人数(30人前後など)の教室ならば、利便性よりも事務の手間の方が大きくなることもあります。

現金払いは、こだわりではなく必然

個人教室は、事務作業を自らが行うため事務手数料などを設定していない教室がほとんとです。

しかし、複数の方法でレッスン料を受け取ると、管理が複雑になるため、大手教室のように事務手数料を導入しなければならなくなる可能性もあります。

現金で月謝を受け取る場合は、レッスンの際にその場で確認できます。小規模な教室では、決済手数料だけでなく、このような管理の手間まで含めて考える必要があります。

どの支払い方法にもそれぞれにリスクや手間はあります。

個人教室は、その中でもっともリスクが低く、事務手数料などをいただかなくても管理できる方法として現金払いを選んでいるに過ぎません。

どの規模ならキャッシュレスや口座振替が有効か、具体的な数字は分かりませんが、個人的な感覚だと50人以上の教室ならば、導入した場合に便利だと実感しやすいかなと思います。