はじめに
市川市で音楽教室をお探しの方へ。
エムジック音楽教室は、4歳から小学生、中学生、高校生、大人の方まで、自分だけのステップアップを実感しながら通えるピアノレッスンを提供しています。
このストーリーは、そんな音楽教室での実際の生徒たちの経験を基にしたフィクションです。
生徒のプライバシーを保護するために、名前や一部のエピソードを変更していますが、成長の過程や学びの喜びは実際の体験を元にしています。
言い訳を探す毎日から抜け出して:人間としても成長したツバサさんのこと
ツバサさん(仮名)は、小学生の頃から課外活動や習い事の掛け持ちに忙しく、なかなか練習時間が取れない状態で入会しました。それでもピアノの発表会で連弾を経験し、その楽しさに目覚めたことで、中学生からは連弾や合唱曲の伴奏を中心として、レッスンに取り組むようになりました。
はじめはポピュラー音楽の連弾ばかりをやりたがっていましたが、モーツァルトやドビュッシーの連弾にも触れるうちに「クラシックの曲も綺麗」と感じるようになり、簡単な練習曲にも真剣に取り組むように。
連弾は合奏の感覚が身につきやすく、曲数をこなすので譜読みもはやくなりました。
学校の音楽の授業で先生からほめられたりクラスメイトから頼りにされたりすることも多かったようです。
ツバサさんは気分のアップダウンが激しいところがあり、練習せずに怒られて「もう辞めたい」とこぼすこともしばしば。でもその度に「やっぱりもう少し続ける」と気持ちを奮い立たせていました。
レッスンでは、最初に譜読みと指ならしの時間を設け、レッスン時間を練習10分+指導20分+予習10分に分けることで、忙しいスケジュールの中でもピアノを続けられるよう工夫しました。
ですが、不調な時に「チアダンスの打ち合わせが長引いて練習できなかった」、「小テストのために勉強していたから時間が取れなかった。テストさえなければ練習したのに」という言い訳をするのが少し気になっていました。
言い訳の上手な人は、Aへの言い訳はBを口実に、Bへの言い訳はCを口実に、というように、いつも何かのせいにして成し遂げることがとても少ないことが多いからです。
しばらくは、ツバサさんの弁解はほんのいっときのこと、すぐに改めるだろうと信じて接しました。
しかし、学年が上がるといろいろなことが重なって気分の浮き沈みがいっそう激しくなり、遅刻や忘れ物が増えるだけでなく、ピアノの弾き方も雑になる時期が多くなりました。
ある時、「私に対して不誠実なのは仕方ない。でも、音楽に対して誠実でないツバサさんとは、一緒にピアノを弾きたくありません」と、とうとう叱ったことがあります。
難しい年頃の生徒さんは極力おだやかに見守りたいのですが、この時のツバサさんの態度は看過できないほど。
遅刻、忘れ物を指摘しても「部活で話していたらいつの間にかこの時間になっていた」、「昨日は珍しく練習していたから自宅のピアノの上におき忘れた」、「英検の質問をしたら先生がなかなか帰宅させてくれなかった」、もしくはだんまり。そんな日は、レッスンも当然進みません。マンツーマンのレッスンでよくこの態度をとれるなぁ!と感心してしまう日さえありました。
このまま受け止めてしまったらツバサさんの長所や良い性質までなくなってしまう、と考え始めて約一ヶ月。
(これだけ突き放した言い方をしたら、とうとう来月で辞めたい、なんて言われてしまうかも)と覚悟しながら諭しました。
その覚悟をもって伝えた言葉が響いたのか、響いていないのか、それは分かりません。
しかし、その日を境に、ツバサさんのレッスンに対する姿勢は一気に変わりました。
後から聞くと、学年が上がってから勉強に行き詰まり、学校生活でも悩みがあったようです。
その悩みが演奏に現れていたのでしょう。
「自分の態度が先生にいやな思いをさせていることが分からなかった。今までいいかげんな態度でごめんなさい」と言ってくれました。
それから、ツバサさんの音色は別人のようにきれいになりました。
塾を変えたことで勉強のリズムがつかめるようになり、学校の成績も回復したそうです。
忘れ物が減り、スケジュールは前もって確認。
できることとできないことは、余裕をもって確認し、可能な場合は対策を一緒に練る。
ツバサさんの成長は目を見張るものでした。
忙しい日々の中でピアノを続け、音楽への情熱を失わなかった彼女の努力と忍耐力には驚かされます。
自分ももっとできることを頑張っていこうと思わせてくれるツバサさんに、感動しました。
ツバサさんの成長を振り返って
ツバサさんは、音楽を続けることの大切さを私に教えてくれました。
ピアノを通じて、自分の感情を表現し、困難を乗り越える力を身につけたツバサさん。
現在は社会人ですが、夢だった仕事に就いていると教えてくれました。
ストイックなツバサさんのこれからの活躍を、私も応援し続けたいと思います。