「発表会は必ず参加ですか?」
体験レッスンやお問い合わせで、ときどきいただくご質問です。
当教室では、原則として発表会への参加をお願いしています。
また、学年ごとの優劣や順位を決める形式にはしていません。
今回は、その理由についてお伝えします。
発表会はレッスンの延長です
当教室では、発表会を「特別なイベント」ではなく、日々のレッスンの延長と考えています。
ピアノは、一人で鍵盤に向かう時間が長い習い事です。しかし、音楽は本来、「演奏する人」と「聴く人」がいて初めて成り立つものでもあります。
そのため、レッスンで身につけたことを人前で演奏し、誰かに聴いてもらう経験も、音楽を学ぶうえで大切な学びの一つです。
特に子どもの時期は、上手に弾くことだけでなく、「一つの目標に向かって準備をし、やり遂げること」や、「自分とは違う年代や経験の人の演奏に触れること」が、その後の成長につながると考えています。
・ピアノは一人で演奏する楽器だが、音楽そのものは一人では成り立たない
・演奏する人と聴く人がいて、初めて音楽として完成する
だから18歳までは原則参加
当教室では、18歳までの生徒さんには原則として発表会への参加をお願いしています。
それは、発表会を「演奏の出来栄えを競う場」ではなく、「目標に向かって努力し、やり遂げる経験を積む場」だと考えているからです。
子どもの時期は、趣味であれ、息抜きであれ、一つの目標に向かって準備をし、やり遂げる経験が大切だと考えています。
発表会では、憧れの曲や、その年に好きになった曲を数か月かけて仕上げます。
練習の計画を立てること、思うように弾けず試行錯誤すること、本番まで努力を積み重ねることも、レッスンの大切な一部です。
発表会への練習は、限られた時間の中で目標に向かって取り組む経験でもあります。勉強や部活動、社会人になってからの仕事でも、「逆算して準備する力」はさまざまな場面で役立つと考えています。
「発表会はミスなく弾かないといけない」と緊張してしまうお子さんもいますが、私は「上手に弾くこと」よりも、「目標に向かって真剣に取り組むこと」のほうが大切だと、繰り返し伝えています。
一方、大人の生徒さんは、ご自身のペースで音楽を楽しみたいという方もいらっしゃいます。そのため、成人された生徒さんの参加については、それぞれの目的やご希望を尊重しています。
・子どもと大人ではレッスンの目的は異なる
・練習の計画は、のちの人生にも役立つ
一人ひとりを大切に。学年順ではない理由
当教室では、発表会で学年ごとの順位を付けたり、優劣を競ったりすることはありません。
その理由は三つあります。
一つ目は、同じ学年でもピアノを始めた時期はそれぞれ違うこと。
二つ目は、同じくらいの経験年数でも、一人ひとりの成長のペースは異なること。
三つ目は、目標そのものが違うことです。
クラシックの名曲を一曲ずつ丁寧に積み重ねたい生徒さんもいれば、好きなアーティストの曲を少しずつ難しいアレンジへ挑戦していきたい生徒さんもいます。
どちらも、その生徒さんにとって大切な目標です。
そのため、当教室では学年順ではなく、演奏スタイルや曲の雰囲気、会全体の流れを考えながらプログラムを構成しています。
毎年、この構成を考えるのは簡単ではありません。
それでも、一人ひとりの目標を尊重しながら、聴いてくださる方にも楽しんでいただける発表会にしたいという思いから、この形を続けています。
達成感が、次の成長につながる
発表会は、上手な人だけが楽しめるものではありません。
数か月かけて演奏曲と向き合い、本番を迎え、「やり切った」と感じられること。その達成感こそが、次の挑戦への自信につながると考えています。
演奏が思いどおりにいく年もあれば、悔しさが残る年もあります。それでも、一つの目標に向かって努力した経験は、子どもたちの中に必ず残ります。
発表会を終えたあとのレッスンでは「来年はこれを弾きたい」、「今年聴いたあの曲は、何歳くらいで弾けますか?」という言葉を聞くと、達成感は次の成長へのエネルギーなのだなと心から感じます。
当教室では、これからも一人ひとりの成長に寄り添いながら、「また来年も挑戦したい」と思える発表会を、生徒さんと一緒につくっていきたいと考えています。
発表会の雰囲気については、これまでの開催の様子をまとめた「発表会の歴史」でもご紹介しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。


